初期の段階
健康食品業界におけるOEM(Original Equipment Manufacturer)の歴史は、日本の健康志向の高まりと共に発展してきました。1980年代後半から1990年代にかけて、健康食品市場が拡大し始め、それに伴いOEM製造の需要も増加しました。
特定保健用食品(トクホ)の登場
1991年に特定保健用食品(トクホ)制度が始まり、健康食品OEMの重要な転換点となりました。トクホは国が個別に審査・認可する制度で、これにより科学的根拠に基づいた健康食品の開発が促進されました。
OEMメーカーの専門化
2000年代に入ると、健康食品OEMメーカーの専門化が進みました。例えば、株式会社東洋新薬は2005年にトクホ許可取得数で日本一となり、2010年には許可取得数が200件を超えるなど、OEMメーカーの中でも特定分野に特化する企業が現れました。
機能性表示食品制度の導入
2015年に機能性表示食品制度が導入されたことで、健康食品OEM業界は大きな変革を迎えました。この制度により、企業は消費者庁への届出を行うことで、より柔軟に機能性を表示できるようになりました。これにより、OEMメーカーの役割がさらに重要になりました。
現在の健康食品OEM業界
現在、健康食品OEM業界は以下のような特徴を持っています:
1. 多様な製品開発:サプリメントから飲料、食品まで幅広い製品を扱っています。
2. 科学的根拠の重視:機能性表示食品の開発に伴い、エビデンスの取得や分析が重要になっています。
3. トータルサポート体制:原料選定から消費者庁への届出、製造、販売後のフォローまで一貫したサービスを提供するOEMメーカーが増えています。
4. 小ロット生産への対応:市場ニーズの多様化に伴い、小ロットでの生産にも対応するOEMメーカーが増加しています。
このように、健康食品のOEM業界は法規制の変化や消費者ニーズの多様化に応じて発展を続けており、今後も市場の成長が期待されています。